縮毛矯正で髪が熱くなる「酸化熱」とは何か— 不安を煽る断定と、現場で起きている事実 —
- Kyiii

- 4 日前
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縮毛矯正の施術中、特に2液工程で
「髪が熱くなった気がする」
「ジワっと温かい」
と感じた経験がある人は少なくありません。
この現象は近年、
「酸化熱」「過剰酸化」
という言葉と結びつけて語られることが増えています。
しかし、この話題ほど
現象・仮説・断定が混ざり合ってしまっているテーマ
も珍しいのが現状です
*縮毛矯正を正しく学ぶ
酸化熱は“起こり得る現象”ではある
まず前提として。
酸化反応に熱が伴うこと自体は、化学的に不自然な話ではありません。
縮毛矯正の2液(酸化工程)において、
還元された結合が再結合する
過酸化水素などの酸化剤が反応する
この過程で、条件次第では
微弱な発熱が起こる可能性はあります。
この点について、メーカーや専門資料も
「可能性がある」「条件による」と表現しています。
ここまでは事実です。
しかし「熱=ダメージ」とは限らない
問題はここからです。
現場やSNSでは、次のような説明がよく見られます。
髪が熱くなる
=過剰酸化している
=深刻なダメージが起きている
この三段論法は、現時点では証明されていません。
理由は単純で、
発熱の有無
発熱量
発熱時間
髪の状態
その後の物性変化
これらを結びつけた明確な研究データが存在しないからです。
現象があることと、
それが不可逆的なダメージにつながるかどうかは、
本来は別の話です。
現場では「矛盾する事実」も起きている
Kyiiiの現場レベルでは、次のような事実も確認されています。
酸リンスを行うと癖戻りが出るケースがある
2液の濃度を下げても、発熱することがある
酸リンスをしても、微弱な発熱が出ることがある
発熱があっても、仕上がりや持続に問題が出ないケースもある
もし
「酸化熱=ダメージ」
が完全に正しいのであれば、
これらは起きないはずです。
つまり、
酸化熱という現象と、実際のダメージは必ずしも一致しない
ということです。
酸リンスや濃度調整は「万能な答え」ではない
酸リンスや2液濃度の調整は、
発熱を抑える可能性がある
反応を穏やかにする目的としては合理的
という側面はあります。
しかし、
癖戻りのリスク
仕上がり質感への影響
そもそもダメージとの因果関係が未確定
これらを考えると、
「やらないと危険」「必須」という断定は成立しません。
手段の一つではあっても、
正解ではない、という立ち位置が妥当です。
なぜ断定的な情報が広まってしまうのか
ここで、問題は技術から情報発信の構造に移ります。
縮毛矯正は説明が難しい技術です。
お客様は不安を感じやすい
専門用語は使いにくい
時間をかけた説明がしにくい
その結果、
「可能性がある」
「条件による」
「一概には言えない」
こうした正確な表現が、
「危険」
「ダメ」
「やってはいけない」
という強い断定に置き換えられてしまいます。
断定は、安心ではなく混乱を生む
断定的な発信は、一見すると親切です。
しかし実際には、
不安を過剰に煽る
技術選択を単純化しすぎる
美容師同士の不毛な正解論争を生む
という結果を招きます。
メーカーや専門家が
あえて断定を避けているのは、
「わからないから」ではなく、
断定できるほど単純ではないからです。
Kyiiiの考え方
Kyiiiでは、次の立場を取っています。
酸化熱は「起こり得る現象」として理解する
しかし、それをダメージと即断しない
結果の安定性を、理論ではなく設計で担保する
セルフブロー式縮毛矯正は、
説明を簡略化するための仕組みではありません。
時間制限を外し、
還元と放置という本質に集中するための設計です。
情報発信に必要なのは「正しさ」より「誠実さ」
縮毛矯正の情報発信において、
本当に必要なのは、
強い言葉
不安を煽る断定
ではありません。
何が分かっていて
何が分かっていなくて
どこまでが経験則なのか
それを正直に伝えることです。
酸化熱というテーマは、
その姿勢が問われる象徴的な問題だと、Kyiiiは考えています。

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