今の縮毛矯正と髪質改善を、技術で整理する — pH・還元・酸熱・ケラチンの本当の関係 —
- Kyiii

- 7 日前
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更新日:4 日前
「縮毛矯正」「髪質改善」「酸熱トリートメント」
これらの言葉が混乱している最大の理由は、
技術の軸が共有されていないことにあります。
ここでは感覚論ではなく、
薬剤設計と反応の違いで整理します。
*この記事は、
の連載の一部です
① 縮毛矯正とは何か
― pHと還元剤で見る本来の定義 ―
縮毛矯正の本質は、
還元剤によって毛髪内部の結合を切り、再構築する技術です。
アルカリ縮毛矯正
pH:アルカリ領域
還元反応が速い
強いクセ毛にも対応できる
その分、ダメージリスクは高い
日本の縮毛矯正技術は、
このアルカリ領域をいかに安全に扱うかで進化してきました。
酸性縮毛矯正(酸性ストレート)
pH:弱酸性〜中性
還元反応が穏やか
ダメージ毛・エイジング毛に向く
伸びはマイルド
これが、現在
「髪質改善ストレート」と呼ばれることが多い領域です。
ただし本質的には、
これは縮毛矯正の一種です。
② 髪質改善ストレートとは何か
髪質改善ストレートとは、
強く伸ばすことが目的ではない
自然な収まり、質感を重視
還元はするが、構造変化は最小限
という設計のストレート技術です。
重要なのは、
“髪質改善”という言葉がついていても、
還元を行っていればストレート技術である
という点。
縮毛矯正との違いは、
パワーと目的の違いであって、
上下関係ではありません。
③ 髪質改善トリートメントとは何か
― 酸熱か、システムか ―
ここが一番混乱している部分です。
酸熱トリートメント
グリオキシル酸などを使用
熱反応で毛髪を架橋・硬化
一時的にクセが落ち着く
還元は行わない
構造を“変える”というより、
構造を固める技術です。
システムトリートメント
補修成分を段階的に入れる
髪の内部・表面を整える
クセを伸ばす力はない
こちらは本来の意味での
トリートメントです。
両者は全く別物ですが、
どちらも「髪質改善トリートメント」と呼ばれてきました。
④ ケラチンブローアウトは、なぜそのまま日本に来なかったのか
ケラチンブローアウトは、
ホルマリン(ホルムアルデヒド)問題
揮発による健康リスク
が表面化し、
日本の薬機・安全基準ではそのまま導入できませんでした。
その代替として登場したのが、
グリオキシル酸です。
グリオキシル酸とは何か
熱と反応して架橋を作る
髪をまっすぐ“見せる”
還元はしない
つまり、
ケラチンブローアウトの
「質感調整」という思想だけを残し、
薬剤を置き換えた技術
それが、日本で広まった
酸熱トリートメントです。
ケラチンブローアウト(海外)
・ホルマリン問題
・日本ではそのまま不可
↓
グリオキシル酸
・熱で架橋
・安全性を考慮
↓
酸熱トリートメント
(日本で普及)
⑤ なぜここまで混乱したのか
理由は単純です。
ストレート技術
トリートメント技術
この境界線を曖昧にしたまま、
「髪質改善」という言葉で包んでしまった。
結果、
伸びると思ったら伸びない
トリートメントだと思ったら硬くなる
というズレが生まれました。
⑥ 今、必要なのは「再定義」
今の技術構造を整理すると、本当はこうです。
【構造変化が大きい】 | 【構造変化が大きい】 | 【構造変化が小さい】 | 【構造変化が小さい】 |
縮毛矯正 | 髪質改善 | 髪質改善 | 髪質改善 |
縮毛矯正 (アルカリ/酸性) ・還元あり ・強いクセを伸ばす | 髪質改善ストレート (酸性ストレート) ・還元あり(弱) ・自然な収まり | 酸熱トリートメント ・還元なし ・熱による架橋 | 髪質改善トリートメント (システムトリートメント) ・還元なし ・補修・質感調整 |
癖が伸びる | 癖が伸びる | 癖は伸びない | 癖は伸びない |
これらを髪質改善と一括りにしていたと思うと、それはもう恐ろしいことです。
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