アイロンを使わないブロー式縮毛矯正とは?
- 須藤零人

- 2025年12月28日
- 読了時間: 4分
── 歴史・仕組み・そして本当に大切なことを美容師が解説
近年、
「アイロンを使わないブロー式縮毛矯正」
という言葉を見かける機会が増えました。
新しい技術のように感じる方も多いかもしれませんが、
実は縮毛矯正の原点はブロー式です。
この記事では、
ブロー式縮毛矯正を否定することなく、
アイロン式・セルフブロー式との違いを整理しながら、
縮毛矯正で本当に一番大切なポイントについてお伝えします。
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縮毛矯正の始まりは「ブロー式」だった
縮毛矯正の歴史を振り返ると、
最初に登場したのはブロー式のストレート技術です。
有名なのが、
ミスターハビットに代表される初期のストレート技術。
当時はまだヘアアイロンが一般的ではなく、
薬剤とブローによって髪の形状を整える方法が主流でした。
その後、
アイロン技術の進化とともに
アイロン式縮毛矯正が広まり、
より安定した仕上がりと再現性が確立されていきます。
日本でアイロン式が一般化した流れの中では、
株式会社ファイテンが展開した
「リペア」を記憶している美容師も多いはずです。
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現在のブロー式縮毛矯正はどこから来たのか
現在注目されているブロー式縮毛矯正は、
突然生まれた技術ではありません。
• パストストレート
↓
• エアーストレート
といった技術が、
水面下で少しずつ広がってきた流れがあります。
特にエアーストレートは、
• 弱酸性の薬剤
• 独自の理論
を前面に出し、
最近ではSNS、特にInstagramをきっかけに
一気に認知が広がりました。
ただし、
発信内容をよく見ると
ブローという工程そのものにフォーカスしているケースが多いのも事実です。
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なぜ今、ブロー式が注目されているのか
理由はシンプルです。
マンツーマン施術に限界が来ているから。
ブロー式縮毛矯正では、
• アイロン工程がない
• ドライ → アイロンを分けない
• ツインブラシで一気に仕上げる
ことで、
約30分の時間短縮が可能になります。
この「30分」は、
• 美容師の体力
• 予約枠
• 回転率
に直結します。
さらに、
ブランディングが成功すれば
単価を上げることもできる。
そのため、
ブロー式はユーザー以上に
美容師側が「真似するかどうか」で市場価値が決まる技術とも言えます。
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ブロー式とセルフブロー式の原点は同じ
ここで重要なのは、
ブロー式とセルフブロー式は
まったく違う方向を向いているわけではないという点です。
両者の原点は共通しています。
それは、
生産性。
• ブロー式:技術で時間を短縮する
• セルフブロー式:工程を分業して時間を生み出す
アプローチは違いますが、
目指している方向は同じです。
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ブロー式がアイロン式を否定するのは正しいのか
最近見かける発信の中には、
ブロー式がアイロン式を否定する文脈もあります。
しかし、これは正確ではありません。
ブロー式が主張する、
• 熱ダメージが少ない
• 自然な仕上がり
• 髪にやさしい
といった点は、
薬剤選定が適切であれば、アイロン式でも変わりません。
工程が違っても、
髪の内部で起きている反応は同じです。
ブロー式が
アイロン式より明確に優位に立てる点は、
時短=生産性だけ。
それ以外の本質的な部分において、
絶対的な優劣はありません。
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縮毛矯正で一番大切なのは「薬剤選定」
もし、
「縮毛矯正を極めようとしている美容師として
自分ができることを一つだけ選べと言われたら何を選ぶか」
と聞かれたら、
私は迷わず薬剤選定を選びます。
• 髪質
• 履歴
• ダメージ
• クセの強さ
これを見極め、
適切な薬剤を選べるかどうか。
次に重要なのが
薬剤塗布とアイロン操作。
正直に言えば、
アイロンは一定の理解があれば誰でも再現できる工程です。
縮毛矯正の差は、
そこではありません。
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なぜ技術論争が起きるのか
美容師は、
自分自身を「商品」として
マーケティングしなければなりません。
もし
「一番大事なのは薬剤」
という事実を全面に出すと、
個人技術としての存在意義が薄れてしまう。
だからこそ、
• ブロー式
• アイロン式
といった技術そのものにフォーカスした発信が増えます。
これは悪いことではありません。
ただ、ユーザーが知るべき本質とは
少しズレている場合もあります。
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まとめ
• ブロー式縮毛矯正は新技術ではない
• アイロン式と対立するものでもない
• 本質は工程ではなく薬剤選定
• 技術論争の裏には生産性とマーケティングの構造がある
どの方法が正しいかではなく、
どの考え方が自分の髪に合っているか。
それを判断できる情報を、
これからも発信していきます。


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