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アルカリ縮毛矯正と酸性ストレート、薬剤の成分を細かく見てみよう

  • 執筆者の写真: Kyiii
    Kyiii
  • 1 日前
  • 読了時間: 8分

更新日:3 時間前

ここまで、酸性ストレートとアルカリ縮毛矯正の違いについて、pHや毛髪の膨潤・軟化、還元について説明してきました。

今回はさらに一歩進んで、実際の薬剤にどんな成分が入っているのかを見てみましょう。

今回比較するのは、

アリミノ「クオライン T-C 250」

タマリス「シスキュア デコルア アシッド シルバー」

です。

どちらも髪をストレートにするために使用される薬剤ですが、成分構成を見てみると、かなり違った設計になっています。

なお、この記事では「どちらが優れているか」という評価はしません。

それぞれの成分が、何のために入っているのか。

そこを一つずつ見ていきます。


まずは全体を比較


縮毛矯正の薬のスペック
縮毛矯正の薬のスペック

クオライン T-C 250はpH8.9のアルカリ領域で、チオグリコール酸塩を還元剤として使用する設計です。

一方、シスキュア デコルア アシッド シルバーはpH4.5で、アルカリ剤を配合せず、複数の還元・軟化成分を組み合わせています。(株式会社アリミノ | オフィシャルサイト⁠)

では、それぞれの成分を見ていきましょう。


クオライン T-C 250の成分を見る


チオグリコール酸系


まず注目したいのがチオグリコール酸系の還元剤です。

チオグリコール酸は、パーマや縮毛矯正で古くから使用されている代表的な還元剤。

毛髪内部のSS結合に作用し、髪の形を変化させるための重要な役割を担います。

つまり、縮毛矯正で「髪の結合に作用する」中心的な成分です。

クオライン T-C 250は、製品分類としても「チオグリコール酸塩縮毛矯正剤」とされています。(株式会社アリミノ | オフィシャルサイト⁠)


炭酸水素アンモニウム


次に炭酸水素アンモニウム

これはアルカリ剤の一つです。

薬剤のpHをアルカリ側へ持っていくために使用されます。

アルカリによって毛髪の膨潤・軟化を促し、薬剤が毛髪に作用しやすい環境をつくる役割があります。

クオライン T-C 250では、モノエタノールアミンや強アンモニア水と組み合わせて使用されています。(株式会社アリミノ | オフィシャルサイト⁠)


モノエタノールアミン


モノエタノールアミンもアルカリ剤です。

こちらも薬剤のpHをアルカリ側へ調整するために使われます。

アルカリ剤といっても一種類ではありません。

同じ「アルカリ」という目的でも、使用する成分にはそれぞれ特徴があります。

クオラインでは複数のアルカリ剤を組み合わせて処方されています。(株式会社アリミノ | オフィシャルサイト⁠)


強アンモニア水


強アンモニア水もアルカリ剤です。

揮発性のあるアンモニアを利用して、薬剤をアルカリ性にするために使われます。

クオライン T-C 250では、炭酸水素アンモニウム、モノエタノールアミンと組み合わせられています。(株式会社アリミノ | オフィシャルサイト⁠)

ここまでを見るだけでも、

「アルカリ縮毛矯正=アルカリ剤が一種類入っている」

という単純なものではないことが分かります。

複数のアルカリ剤を組み合わせて、薬剤全体の環境を設計しています。


トリメチルグリシン


クオラインの特徴成分として紹介されているのがトリメチルグリシンです。

いわゆるベタイン系の成分で、メーカーは「熱ケア成分」「保護」として紹介しています。(株式会社アリミノ | オフィシャルサイト⁠)

縮毛矯正ではアイロンによる熱を利用するため、こうした熱処理を考慮した成分も組み込まれています。


セラミド


クオラインには、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・2-オクチルドデシル)というセラミド類似成分が配合されています。

メーカーは保湿成分として位置づけています。(株式会社アリミノ | オフィシャルサイト⁠)

毛髪のコンディショニングを考えた成分です。


ケラチン


さらに、塩化N-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]加水分解ケラチン液

これはカチオン化された加水分解ケラチンです。

メーカーでは補修成分として紹介されています。(株式会社アリミノ | オフィシャルサイト⁠)

つまりクオラインは、

還元する成分

アルカリ性にする成分

熱処理や毛髪のコンディションを考えた成分

を組み合わせた処方になっています。


次にシスキュア デコルア アシッド シルバー


ここからは、かなり構成が変わります。

シスキュア デコルア アシッド シルバーはpH4.5、アルカリ未配合

そして特徴的なのが、還元・軟化成分を一種類だけにしていないことです。(タマリス⁠)


システアミン


まずシステアミン

システアミンは、パーマやストレート施術で使用される還元剤の一つです。

チオグリコール酸とは別の種類の還元剤で、毛髪のSS結合に作用します。

シスキュア アシッドでは、このシステアミンをベースにした処方になっています。(タマリス⁠)


アセチルシステイン


次がアセチルシステイン

システインをもとにした還元性成分です。

シスキュア アシッドでは、システアミンと組み合わせて使用されています。


グアニルシステイン


そしてグアニルシステイン

こちらもシスキュア アシッドの特徴的な還元・軟化成分の一つです。

メーカーは、

システアミン+アセチルシステイン+グアニルシステイン

を「ハイブリッドシス処方」としています。(タマリス⁠)

つまりシスキュア アシッドは、

一種類の還元剤だけで勝負するのではなく、複数の還元・軟化成分を組み合わせる

という設計になっています。


レブリン酸


次にレブリン酸

シスキュア アシッドでは、レブリン酸と酒石酸という2種類の酸を配合しています。

メーカーはレブリン酸について「ストレート効果UP」としています。(タマリス⁠)

ここで重要なのは、

「酸=単にpHを下げるためだけ」ではない

ということ。

酸性側の処方をつくるだけでなく、薬剤全体のストレート施術を考えて組み込まれています。


酒石酸


酒石酸も酸性側の処方を構成する成分です。

メーカーは「毛髪ダメージ抑制」としています。(タマリス⁠)

レブリン酸と酒石酸。

この2種類の酸を組み合わせて、酸性域での薬剤設計を行っています。


ファイバーハンス


次はファイバーハンス

成分としては、

ヒドロキシプロピルグルコナミド

グルコン酸ヒドロキシプロピルアンモニウム

の組み合わせです。

メーカーでは「補強」としています。(タマリス⁠)

つまり、還元によって髪の形を変えるだけではなく、毛髪のコンディションを考えた成分も組み込まれています。


5種類のセラミド


シスキュア アシッドには、

  • セラミド1

  • セラミド2

  • セラミド3

  • セラミド5

  • セラミド6II


という5種類のセラミドが配合されています。

メーカーでは保湿成分として位置づけています。(タマリス⁠)

ここもクオラインと共通する部分です。

つまり、

アルカリ処方と酸性処方で、すべての成分がまったく違うわけではない。

共通して毛髪のコンディションを考えた成分もあります。


γ-ドコサラクトン


そしてγ-ドコサラクトン

これは、いわゆるエルカラクトンと呼ばれる成分です。

シスキュア アシッドでは「保護」として配合されています。(タマリス⁠)

熱を利用するストレート施術との組み合わせも考えられた成分です。


成分を並べてみると違いが見えてくる


ここまで細かく見てみると、単純に、

アルカリ縮毛矯正=アルカリ

酸性ストレート=酸

という話ではないことが分かります。

クオライン T-C 250では、

チオグリコール酸系の還元剤

に加えて、

炭酸水素アンモニウム

モノエタノールアミン

強アンモニア水

などのアルカリ剤を組み合わせています。(株式会社アリミノ | オフィシャルサイト⁠)

一方、シスキュア デコルア アシッド シルバーでは、

システアミン

アセチルシステイン

グアニルシステイン

という複数の還元・軟化成分を使いながら、

レブリン酸

酒石酸

によって酸性域をつくっています。(タマリス⁠)

さらに両方とも、セラミドや毛髪を保護・補修・保湿するための成分を組み込んでいます。

つまり、

「酸性かアルカリ性か」だけで薬剤を判断することはできません。

そのpHをつくるために何を使っているのか。

どの還元剤を使っているのか。

どんな成分を組み合わせているのか。

そこまで見て、初めて薬剤の設計が見えてきます。


良い・悪いではなく、まず中身を見る


今回の記事では、あえて

「クオラインのほうが良い」

「シスキュア アシッドのほうが優れている」

という評価はしません。

なぜなら、薬剤にはそれぞれ設計思想があり、髪の状態や目的によって求められるものも変わるからです。

大切なのは、

「アルカリ」「酸性」という名前だけで判断しないこと。

薬剤の中に、

どんな還元剤が入っているのか。

どんなアルカリ剤や酸が入っているのか。

その他の成分は何のために入っているのか。

そこまで見ていくことです。






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