ヘアカラーのアルカリの量?縮毛矯正ユーザーなら知っておきたいこと

更新日:8月18日
縮毛矯正をしている方なら、「カラー剤のアルカリが強いと髪が傷む」という話を聞いたことがあるかもしれません。
では、なぜアルカリが必要なのでしょうか?
そして、なぜ白髪染めではアルカリの働きが大きくなりやすいのでしょうか?
前回の記事では、白髪染めは「薬剤の種類」ではなく、白髪を染めるという目的を表す言葉だと説明しました。
ここで少し矛盾するように聞こえるかもしれませんが、酸化染毛剤に限っていえば、メーカーは白髪を染めることを目的とした専用シリーズを明確に設計しています。
今回は、その理由も含めて「白髪染めとアルカリ」の関係を美容師目線で髪質改善特化のセルフブロー式縮毛矯正専門店(キー)が解説します。
そもそも、カラー剤のアルカリは何のため?
酸化染毛剤では、アルカリ剤が重要な役割を持っています。
アルカリによって髪を膨潤させ、薬剤が毛髪内部へ作用しやすい状態をつくります。
さらに、過酸化水素による酸化作用を利用して、髪の中にあるメラニン色素を分解し、髪を明るくしていきます。
つまり、酸化染毛剤におけるアルカリは、
「髪を染めるためだけに入っているもの」ではありません。
髪を明るくするための重要な役割も持っています。
白髪染めでは何が難しいのか?
ここが今回のポイントです。
白髪は、もともとのメラニン色素が少ない、またはほとんどない状態です。
一方、黒髪にはメラニン色素があります。
例えば黒髪と白髪が混ざっている状態で、全体を明るいブラウンにしたいとします。
この場合、黒髪には、
黒髪を明るくする「トーンアップ」
が必要です。
一方、白髪には、
白髪に色を入れて暗くする「トーンダウン」
が必要になります。
つまり、同じ髪の中で、
黒髪は明るくする。
白髪は色を入れて暗くする。
という、一見すると反対の仕事を同時に行わなければなりません。
これが白髪染めの難しいところです。
明るい白髪染めほど薬剤設計が難しくなる
例えば、
「白髪はしっかり染めたい。でも暗くはしたくない」
という希望があるとします。
白髪をしっかり染めるだけなら、白髪に色を入れることを考えればいい。
しかし、黒髪も一緒に明るくして、全体を明るい色に合わせようとすると話が変わります。
黒髪に対しては、メラニンを減らして明るくする作用が必要になります。
そのため、酸化染毛剤ではアルカリ剤と過酸化水素を利用して、黒髪をリフトしながら、同時に白髪へ染料を入れていくことになります。
つまり、
「白髪を染める」+「黒髪を明るくする」
という二つの仕事を一つのカラーで行う必要があります。
これが、明るい白髪染めの薬剤設計が難しい理由の一つです。
なぜ白髪染め専用シリーズがあるの?
前回、「白髪染めは目的であって、カラー剤そのものの分類ではない」と説明しました。
これはその通りです。
ただし、酸化染毛剤の世界では、メーカーが「白髪を染める」という目的に合わせて、専用のシリーズを設計しています。
なぜなら、白髪と黒髪では、同じカラー剤を使って同じように染めればいいわけではないからです。
白髪にしっかり色を入れながら、黒髪との色差をできるだけ自然に見せる。
さらに、希望する明るさもつくる。
そのために染料の構成やアルカリの設計などを変えた製品が作られています。
ですから、
「白髪染めも普通のカラーも、名前が違うだけで中身は同じ」
ということではありません。
「白髪染め」という言葉は目的ですが、その目的に合わせて、メーカーが明確に異なる設計の製品を作っているのです。
アルカリが強くなると何が起こる?
では、なぜ縮毛矯正をしている方がアルカリを気にした方がいいのでしょうか?
アルカリの働きが大きくなると、毛髪の膨潤も大きくなりやすくなります。
そこに過酸化水素による酸化作用も加わり、髪を明るくしていきます。
これはカラーをするために必要な作用ですが、髪にとっては負担にもなります。
特に問題になるのが、繰り返し施術することです。
一度のカラーだけで考えれば大きな問題がなくても、毎月のように同じ部分へカラーを繰り返していけば、髪への負担は蓄積していきます。
縮毛矯正をしている方の場合、すでに毛髪へ化学的な処理を行っているため、カラーによる負担も含めて考える必要があります。
「白髪染め=傷む」ではない
ここは誤解しないでください。
白髪染めだから必ず髪が傷む、という話ではありません。
重要なのは、
何を、どの程度明るくして、どこに、どのくらいの頻度で使用するのか
です。
例えば、白髪を染める目的でも、髪を明るくする必要がなければ、考え方は変わります。
逆に、
「白髪をしっかり染めたい」
「でも明るい髪色にしたい」
という場合には、黒髪をリフトするための作用も必要になります。
だからこそ、同じ「白髪染め」という言葉でも、実際の薬剤設計は変わってくるのです。
退色にも関係してくる
カラーを繰り返していると、「最初は綺麗だったのに、時間が経つと明るくなってしまう」ということがあります。
退色には、染料の種類や髪のダメージ、洗浄、紫外線などさまざまな要因が関係します。
そして、髪のダメージが大きくなれば、染料を保持する力にも影響してきます。
そのため、
強い作用で明るくする → 髪への負担が増える → その後の色持ちにも影響する
という悪循環が起こることがあります。
もちろん、退色の原因はアルカリだけではありません。
ここは「アルカリが多いから必ず退色する」と単純に考えないことが重要です。
縮毛矯正をしている人ほど「カラーの繰り返し」に注意
縮毛矯正は、一度施術した部分に何度も同じ薬剤を作用させないことが基本です。
カラーも同じように考えた方がいい部分があります。
特に毛先まで毎回カラーを繰り返していると、毛先にはカラーと縮毛矯正の履歴が積み重なっていきます。
根元に新しく生えてきた髪と、何年も施術を繰り返してきた毛先では、同じ髪とは思えないくらい状態が違うこともあります。
だからこそ、
「白髪染めをするかどうか」だけではなく、「どこに、どんなカラーをするのか」
が重要です。
Kyiiiではカラーも縮毛矯正も履歴を見る
Kyiiiでは、縮毛矯正をするときもカラーをするときも、現在の髪だけを見るのではなく、これまでの施術履歴を重視しています。
特に縮毛矯正をしている方は、
「いつ縮毛矯正をしたのか」
「カラーはどのくらいの頻度でしているのか」
「毛先まで毎回カラーしているのか」
「過去にブリーチをしているのか」
などによって、髪の状態が変わります。
カラー剤も、ただ「白髪染めだからこれ」と決めるのではなく、希望する明るさや髪の状態を考えて選ぶ必要があります。
まとめ
酸化染毛剤による白髪染めでは、黒髪と白髪に対して、それぞれ違う仕事をしなければなりません。
黒髪には、
メラニンを減らして明るくする。
白髪には、
染料を入れて色をつける。
特に明るい白髪染めでは、この二つを同時に行う必要があるため、製品によってはアルカリの働きが大きくなるように設計されています。
そして、アルカリによる髪の膨潤や過酸化水素による酸化作用は、カラーに必要な一方で、繰り返せば髪への負担にもなります。
だからこそ、縮毛矯正をしている方は「白髪染めかどうか」だけではなく、
どのくらい明るくするのか。
どこにカラーをするのか。
どんな薬剤を使うのか。
どのくらいの頻度で繰り返すのか。
まで考えることが大切です。
次回は、さらに一歩踏み込んで、
「えっ?縮毛矯正とヘアカラーを同時にやるのは法律違反?」
について解説します。
縮毛矯正とカラーの同時施術について、「法律で禁止されている」と聞いたことがある方もいるかもしれません。
実際にはどうなのか、法律と美容室での施術について整理します。
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